Qスイッチレーザーが導入されました。(ようやく・・・)

 

このレーザーで治療可能な保険適応疾患(あざ・母斑・外傷性刺青)についてご紹介します。

 あざは生後~小児期に出現する皮膚の病変です。わかりやす分けると赤あざ・青あざ・茶あざ・黒あざというように4つの見た目の色で分けることが多いです。

 当院では、治療設備の関係で、赤あざの治療に対応できませんが、それ以外に関しては標準的治療が可能です。また、赤あざに関しても、診断と治療方法の説明、適切な治療施設について、詳しくご説明することが可能ですので、お問い合わせください。

 けが・やけどの後に生じる色素沈着についても治療可能です。

 アスファルトや鉛筆の芯が皮膚の中に残っているような外傷性刺青の状態も治療可能です。

 

あざの種類と治療法

青あざ

蒙古斑・異所性蒙古斑

 蒙古斑は生まれつきお尻にある青いあざを指します。皮膚の真皮にメラノサイト(メラニン色素を作る細胞)が増殖した状態のものです。このお尻の蒙古斑は4~10歳で自然に消失していくことがわかっており、治療の対象になりません。しかし、蒙古斑がお尻以外に発生することがあり、これを異所性蒙古斑と呼んでいます。足でも体でもどこでもあり得ます。異所性蒙古斑の中でも以下のようのものは自然消退を望めませんので、治療の対象となります。

  ・色調が濃い

  ・広範囲

  ・境界がはっきりしている

 標準的治療方法はQスイッチレーザーと呼ばれる、レーザー治療となります。お子様の場合、小学生になるぐらいになっても消退する傾向がなければ治療を開始します。幼児期より、明らかに自然消退が望めない色調のものですと、すぐに治療を開始することもあります。

Qスイッチレーザー治療は3~6か月おきに、5~10回程度の治療回数が必要です。

 

太田母斑

 片側の顔面にできる青あざです。生後しばらくして少しずつ発症し、思春期ごろに悪化し、社会生活上大きな問題となることがあります。真皮にメラノサイトが散在し、灰色から青色の色素斑ですが、白目の粘膜や、口腔内にもメラニンの増加を確認できることもあります。臨床的に、幼児の小鼻や眉毛の横あたりに青色のあざが小さく出てきて発見されることが多い印象です。

 自然に治癒することはありません。過去には手術によって除去し皮膚を移植したり、ドライアイスを押し付けたりと、つらい治療が行われておりましたが、90年ごろからレーザー治療が普及してきました。Qスイッチレーザーが現在の標準的治療方法です。3~6か月おきに、10回程度の治療回数が必要です。

 治療開始年齢は、早い方が効果も高く少ない回数で済み、色素脱失や色素沈着などの合併症の率も少なくて済むといわれています。

 

茶あざ

扁平母斑

 境界のはっきりした茶色のあざです。生まれつきあるものや、乳幼児期に出現するもの、思春期ごろに出現するベッカー母斑と呼ばれるものなどありますが、見た目に茶色いので診断は簡単です。

 治療はQスイッチレーザーが標準的治療なのですが、青あざに比べると有効率が劣ります。無効例は約65%です。著効は17%、改善程度は18%です。これは性別年齢には関連はありませんが、顔・首→体→四肢の順に有効率が下がります。またきれいな円形の扁平母斑より地図状の方が効きやすいといわれています。

 日本で保険治療が可能なのはQスイッチルビーレーザーという機種です。

レーザー治療が無効なケースでは手術を選択することになります。部位と大きさによって、切除後の皮膚再建方法が変わりますので、個々にカウンセリングが必要です。

 

黒あざ

色素性母斑

 いわゆるほくろです。大小さまざまです。

治療方法は手術による切除やくりぬきと、炭酸ガスレーザーによる除去がスタンダードです。自由診療で治療する場合は炭酸ガスレーザーとQスイッチレーザーを組み合わせたり、Qスイッチレーザー単独で治療することもありますが、真皮内に深く母斑細胞が存在するものが多く、やはり炭酸ガスレーザーによる治療が主となり得ます。また、この場合、治療の傷痕が残存してしまうことを理解して治療いただくことになります。

 

外傷性刺青

 鉛筆の芯が刺さって黒鉛が残存したり、アスファルトで転倒し、砂の色が残存したりすることがあり、これを外傷性刺青と呼びます。皮膚の中に存在しているものはQスイッチレーザーで治療可能です。

 Qスイッチレーザー治療について

Qスイッチレーザーと呼ばれるレーザー光を照射します。レーザーは皮膚に存在するメラニン色素に対して吸収されます。吸収されると光エネルギーが熱エネルギーとなり組織を壊します。壊されたメラニンは脱落したり吸収されてなくなっていきます。広範囲に施術する場合はあらかじめ表面麻酔クリームなどを使用して痛みを軽減させます。現在の色素性病変の治療で最も有効な治療法の一つです。

適応疾患

保険適応:異所性蒙古斑・太田母斑・扁平母斑・外傷性色素沈着(外傷性刺青)

保険適応外:シミ(老人性色素斑・後天性真皮メラノサイトーシス)・入れ墨・タトゥ

術前にご理解いただきたいこと 

術後経過として以下のことが起こりえます。特に炎症後色素沈着と、色素脱失については、ご理解が得られない状態での治療はお受けいたしかねます。

  • 患部の周囲に軽度の赤みやほてり感、ヒリヒリ感が生じることがあります。
  • 照射後に黒いかさぶたを形成し、1~2週間程度で自然脱落し、薄くなっていきます。かさぶたは絶対に取らないでください。指示された処置を10日程度は継続してください。
  • その後、約2週目から色素沈着(炎症後色素沈着)が出現します。この現象が落ち着くのに3か月程度かかりますが、程度には個人差があります。元のシミより濃くなったと感じることもあります。また、過去の照射で炎症後色素沈着が起こらなくても、数回目に初めて起こることもあります。適切に管理すれば、治まるはずの一時的な現象です。
  • しばしば過度の反応により水ぶくれになったり表皮が剥けたりすることがあります。その結果、炎症後色素沈着が強くなることがあります。この改善に数か月を要することがあります。また稀ですが、やけど痕として残存する可能性も否定はできません。
  • 炎症後色素沈着の予防や治療のためにハイドロキノン軟膏を使用したり、トラネキサム酸やビタミンC製剤などの内服を推奨することがあります。(別途治療費が必要です)
  • 色素性病変の種類や程度によっては、効果が出づらいものがあります。無効の場合や、10回以上の治療が必要のこともあります。病変の再発も十分に起こりうることです。治療に限界がある場合もあります。
  • 病変周囲の正常皮膚より色素が抜けてしまう脱色素状態になることがあります。これは治りにくい現象です。

 

レックリングハウゼン氏病の治療方針

神経線維腫症1型 neurofibromatosis type1 これをレクリングハウゼン病von Recklinghausen diseaseと呼んでいます。

症状が進行すると難病に指定されます。DNB分類stageⅢ以上

「粉瘤が全身にたくさんできてきたんです」

粉瘤にしてはやわらかく、poreもない。また、大小さまざまで、盛り上がりの大きいものから平坦に近いもの、垂れ下がるぐらい突出したものなどが、全身に多発した皮膚の腫瘍を認めます。これは、神経線維腫の可能性があります。さらに、次の症状があれば診断が確定的です。

「全身に茶色のあざがたくさんあるんです」

扁平母斑と呼ばれる茶色のあざが、大小さまざまに認めます。これは扁平母斑ではなく、カフェオレスポットと呼ばれます。6個以上で本症と診断できます。

3000人に1人の頻度で、常染色体優性遺伝、つまり、必ず遺伝して発現します。しかし半数以上は突然変異といわれます。

生命予後良好といって、命に別状はないことがおおいのですが、様々な問題があります。

・進行する疾患なので、皮膚の神経線維腫がどんどん増えていき、社会生活上、整容的な問題となります。1000個以上できると難病指定を受けることになります。

・脳や脊髄の神経に神経線維腫や、髄膜腫が発症し、中枢神経障害や痙攣などの発症することも考えられます。

・知能障害や学習障害を有していることがある。

・子供に遺伝する。

・神経線維腫の悪性化はままれであるが考えておかねばならない。

根治療法はありません。上記の問題が生じたときに対症療法を行うことになります。

私たち形成外科領域では、目立つ部位の神経線維腫を切除することと、カフェオレ斑をレーザー治療などすること(再発することが多いですが)などです。

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形成外科・美容外科 ぎふスキンケアクリニック あざ・できもの・粉瘤・皮膚の腫瘍などについて

“ほくろ”について

顔の“ほくろ”は印象を決めます。除去すると若く見え、肌がきれいに見えることも。皮膚がんとの区別は専門医に相談。日常よく遭遇する“ほくろ”について解説致します。

“ほくろ”とは?

 医学的には母斑細胞母斑もしくは色素性母斑という病名です。黒いメラニン色素を産生するメラノサイト系細胞である母斑細胞の増殖したものです。比較的小さなもが俗に“ほくろ”と呼ばれています。診療の健康保険適応に関しては各医療機関に問い合わせてください。状況(症状や希望の治療方法など)により判断する場合が多いようです。

“ほくろ”のようで“ほくろ”ではないものがあります

 “ほくろ”は年々増えていったり、盛り上がってきたり、色が抜けてきたりと変化をします。しかし月単位での急な変化は皮膚がんの可能性もあります。特に高齢者の顔面や手背など日光露出部にできやすい皮膚がんは多く遭遇します。また以前からある足の裏の“ほくろ”がすぐに皮膚がんになることは少ないですが、最近気づいたものであれば受診されるのが安心です。

ほくろ除去の方法

 医学的に、取ってはいけない、という“ほくろ”はありません。整容的観点から除去の適応との考えもありますし、皮膚がんとの鑑別の観点から切除検査する考えもあります。

 除去方法には大きく2つの方法があります。摘出手術とレーザーによる焼灼術です。いずれも局所麻酔薬を患部に注射して処置を行います。麻酔時は若干の痛みを伴いますが、手術中や術後はほとんど痛くありません。

1)摘出手術 メスなどを使って母斑細胞を周囲から完全に切り取る方法です。

         a)単純縫合 紡錘形に切開して、線状に縫合閉鎖します。

下唇のほくろです。次の写真は術直後です。

2%e5%8d%98%e7%b4%94%e7%b8%ab%e5%90%88%e7%9b%b4%e5%be%8c次の写真は術後半年です。3%e5%88%87%e9%99%a4%e5%8d%98%e7%b4%94%e7%b8%ab%e5%90%88%e5%be%8c

 

         b)巾着縫合 “ほくろ”の形に合わせてくり抜き、傷口の内側に縫合糸を通して、巾着袋の紐を絞めこむように閉鎖します。(くり抜き径が小さいものであれば、縫合せずに自然閉鎖させることもあります。)

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鼻の下にあるほくろです。くり抜いて巾着袋の紐を占めるように傷を閉じます。(次の写真)Exif_JPEG_PICTURE

次の写真は術後3か月です。Exif_JPEG_PICTURE

約1週間後に抜糸を行い、その後約3か月、テーピングを行います。

2)焼灼除去術 炭酸ガスレーザーや高周波メスなどを使用して、母斑細胞を上から削り取る方法です。削った部位は開放された傷の状態ですが、湿潤療法で自然に皮膚が修復されるのを待ちます。

Exif_JPEG_PICTUREレーザーで除去して術後半年が次の写真です。

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大きさ、部位、患者様の希望などを考慮して上記方法を使い分けて治療します。

ほくろ除去の前に必ず知っておくべきこと

  1. 必ず傷痕(きずあと)が残ります。母斑細胞は皮膚の真皮内から、深いものでは皮下脂肪まで存在していることがあります。真皮に処置操作が及ぶと正常の皮膚が再生できず、傷痕として治癒していきます。これが消えることはありませんが、比較的目立たなくなっていきます。単純縫合では線状の傷痕、巾着縫合や焼灼術ではほくろが白い傷痕に置き換わるようなイメージです。
  2. 治療しても再発することがあります。拡大鏡を使用して取り残し範囲がないように処置しますが、ミクロのレベルで母斑細胞が残存し、術後数か月以内に部分的に色素が顕在化してくることがあります。

術後経過とケア

 術後は翌日より創部もシャワー浴で洗浄可能です。創部を含めた入浴やプールは1週間後の抜糸等処置後から可能です。消毒は不要です。創部は創傷被覆材を使用して保護し、ご自身で交換しておいていただきます。被覆材の上からメイクが可能です。どの方法で治療しても術後3か月程度、強い赤みと黒ずみ(炎症後色素沈着)が出現します。6か月から12か月かけながら徐々に目立たなく馴染んでいきます。炎症後色素沈着がある期間は特に紫外線対策や保湿を心掛けていただきます。

 

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炭酸ガスレーザーによる”ほくろ”除去、難しい部位

ほくろの除去方法で有用なものとして炭酸ガスレーザーもしくはエルビウムレーザーによる蒸散があります。

本日、レーザーメーカーのルミナス社が主催するセミナーに参加しました。みずぐち形成外科の先生のご講演を聞いて、私も全く同感と感じたことがありましたので、ご紹介させていただこうと思います。

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レーザーによるほくろ除去は部位によってはとても目立たなく綺麗に治るもので、お勧めの治療ですが、以下の部位はちょっと注意が必要なのです。

鼻の背中は傷痕が凹みやすい

 レーザーでほくろを蒸散すると皮膚が陥没します。湿潤療法でそこを治療すると盛り上がって平らに治癒するのですが、この部位は確かに若干の凹みを残すことがある気がします。私の患者さんだけでなく、他院のケースもそう思います。また、この部位はミーシャ型といって盛り上がったほくろが多いのですが、周囲を上手に処理しないと周堤が残存し凹んだように目立つこともあると思います。

口の周りは盛り上がった傷痕になりやすい

 手術でも同様ですが、口は顔面の中でも比較的良く動くところです。術後すぐの傷痕に動きによるストレッチが刺激となると、肥厚性瘢痕といって、盛り上がった傷痕になることがあります。数か月から1年ほど若干の盛り上がりや赤みが遷延することを良く経験します。

腕の傷痕は白く目立つ

 これもよく経験します。先日も他院で腕の小さいほくろを10か所ほど一度に焼灼した方がみえました。傷痕が気になるとのことで半袖が着づらいといわれました。確かにパッと見、白い点状の瘢痕が目立ち、眼が行ってしまいます。腕はやりすぎず、一つづつ責めた方が良いと思います。実際、目下進行中の患者さんは割とお見えです。また。手背などは色素沈着もかなり長引くので注意が必要です。

若年者のほくろ治療後に再発が多い

 そういえば、中年以降の方はあまり気にならないのですが、肌にハリのある若年者女性は、確かにしっかり目に削ったつもりでもポイントで再発するものが多い気がします。再発時はそれほど深く削らずとも取れると聞きました。それも確かにそう思います。初回治療時よりかなり楽にメラニンが落ちます。

水口先生、ご指導ありがとうございました。

 

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ほくろ摘出後の再発を防ぐ工夫の一つ

 ほくろは誰にでも一つぐらいはあります。たくさんある人も大勢みえますし、年齢とともに増えてきたり大きくなることもよくあります。そのため整容的にほくろを除去したい、また皮膚癌が心配という人も多くおみえです。

ほくろ除去に伴う二つのリスク

 ほくろ除去には主にメスなどで切除する方法と炭酸ガスレーザーやエルビウムヤグレーザーで削って除去する方法があります。いずれの方法でも、除去後傷あとが残ることと、再発の可能性があることを承知しなくてはなりません。

再発することは

 ほくろ除去後の再発は、わかりやすく言うとホクロの細胞(母斑細胞)の中でもメラニンを産生するものが取り残ったと考えられます。実際、肉眼ではホクロの辺縁を綺麗に取れたと思っても、数か月後に縫合部から色が再発したり、十分な深さで除去したと思ってもメラニン産生細胞が脂肪組織近くもしくは脂肪組織に存在し、取り残っていしまっていることも稀にあります。再発についての詳細

切除辺縁に取り残さないようにするために

 極端な話、黒いほくろから十分に距離を取って切除すれば絶対に再発しません。良性疾患ですから。しかし、良性だから無駄に大きく健常部位を切ることは避けたいです。極力ぎりぎりで辺縁を設定します。私は必ずデザインをダーモスコープで確認しています。ダーモスコープは皮膚を10倍に拡大し、十分な光量で真皮の病変まで診断することができるツールです。

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肉眼よりも確実に、色素性病変と健常部位の境界を確認することが可能です。写真は切除ラインを赤い線でデザインしました。茶色の色素は線の中に確実に含まれています。

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切除は皮下脂肪浅層をつけて切除します。辺縁に取り残しはないことをダーモスコープで再度確認したところの写真です。

傷は最小限に、再発リスクも最小限にするための一工夫をご紹介しました。

 

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