顔がたるんでしまうメカニズム

先日、第22回MSCSに参加してまいりました。「たるみ」についての講演でしたが、興味深かったので、学んだことをまとめておきます。

弛みの原因は皮膚の劣化と組織の萎縮

皮膚の劣化する原因はもちろん加齢現象なのですが、その原因として活性酸素、紫外線が挙げられます。もちろん喫煙などは言うまでもありません。これに外力が加わるとたるんでいくということです。外力は表情筋の収縮と重力と言えます。また、脂肪や骨が萎縮し、老化顔貌へ変化します。

 

活性酸素はミトコンドリア内でのTCA回路でエネルギーを産生する際に発生します。活性酸素は通常の酸素より電子が足りない不安定な状況にあり、他の物質から電子や水素を奪い取り酸化させてしまいます。酸化した細胞はアポトーシスに陥り機能不全となります。紫外線は直接原子の結合を破壊し、たんぱく質を破壊してしまいます。

このようにして皮膚のコラーゲンやエラスチンが劣化し、弾力のない、伸びきったばねのような皮膚へ変化します。

 

さらにこの皮膚に外力である重力が加わると内容を支えきれずたるみが進行。また、表情筋の動きにより、引っ張られ、また折りたたまれると皺がどんどん増えていくということになります。

表情筋のトレーニングでたるみが予防できるのか

多くの患者様が、顔の筋トレを頑張っていると自信満々にお話されます。しかし美容外科医なら皆、「表情筋のトレーニングはシワを増やすためのトレーニングだ」と批判します。私はこれまで、以下のように話してまいりました。

 表情筋を鍛えても、表情筋でたるむ脂肪を支えているわけでなく、脂肪の下垂は進行します。また、表情筋が伸びきるからたるむというわけでもありません。だから筋トレをしても無駄です。さらに、筋トレをするということは表情しわを作るということになります。劣化した皮膚に皮膚を折りたたむような表情筋トレーニングをすれば、その外力でしわが深く刻まれていくことになっていきます。

 今回のお話ではさらに、筋トレの三大原理から否定的な意見をまとめられました。

・特異性の原理・・・トレーニングした筋だけに効果がある。

・可逆性の原理・・・トレーニングをやめると元に戻る。

・過負荷の原理・・・十分な負荷を与えないと効果はない。

 ということは表情筋を鍛えるには、鍛えている表情筋を意識してトレーニングをすべきで、常にやり続けないといけなくて、過負荷をかけるようなトレーニング内容にしなければならないということです。こんなことできるのでしょうか・・・。皮筋である表情筋に過負荷なんて簡単にかけられません。

 

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第104回日本美容外科学会(JSAS)1日目備忘録

IMG_0209クリニックで明日からの臨床に生きる講演をたくさん聞くことができました。また、以前からお世話になっている恩師の先生や医療コンサルタントさん、医療機器メーカーの方などと有意義なお話をすることができています。1日目の受講した内容で、今後の私の臨床に生かしたい内容を備忘録としてまとめておきます。

①切らないフェイスリフト  ライブで手術を拝見しました。

いろいろな糸をコンビネーションで使用。バーブやコグのついたものは引上げ効果を、ショートスレッドは異物反応による引き締め効果を、またこれらを交差してコンビネーションとすることで面で支えるイメージで仕上げられるとのことです。コグ付きのショッピングスレッドシェイプを一次固定部である側頭部皮下から耳前部皮下に3本(infra temporal septumを貫通させて)、distalから挿入留置。この耳前部を準固定点として、次にjawl方向から3本挿入、次にmidcheekからfatpadを引き上げるように3本、これはコの字ではないコグリフトを挿入。挿入時はシリンジを付けて挿入しており、入れ易そうです。これらの糸を置く前に、刺入点となる9点に、ショートスレッドを挿入し、抜くときに0.5%の局所麻酔を注入しながら抜きます。1本あたり0.5㏄程度注入することで、コグリフトの挿入時疼痛は無いようです。これらの9本の糸に垂直方向にショートスレッドを挿入して面を作っておく感じでデザインしていました。malar archは骨膜上にtemporal brがあるので、擦らないように常に皮下浅層で挿入。

 スレッドリフトは1~2年の持続で繰り返し行うものである認識をICすべきであることも近年は皆そのような考え方と思います。

②美容鍼 実演

東洋医学の治療法の一つです。東洋医学には他にも漢方薬や気功などがあります。日本の医師は西洋医学も東洋医学も診療が可能です。他国の針灸より、丁寧で繊細で衛生的なので世界からの評価も高いと伺いました。効果はたるみ、小じわ、くすみ、くま、むくみなどで作用機序としては経絡の刺激と創傷治癒の理論とのこと。多くて顔面に100本程度、実演を拝見しました。

③ヒアルロン酸注入による動脈塞栓予防の解剖学

動脈内に注入した場合、それが末梢なら当然その末梢が障害をきたすし、中枢側で誤注したら、広範に障害をきたします。しかし、末梢に誤注してもその注入圧が動脈圧より高ければ、ヒアルロン酸が逆行性に中枢の枝まで移行して、注入を止めた時に後半にembolizationをきたす、その実験を見ました。また、目周囲は眼角動脈や眼窩上動脈、滑車上動脈など内頚系では眼動脈に塞栓を起こすリスクがあるのは理解できますが、法令線などの外頚系の顔面動脈に誤注しても失明するケースがあるとのこと。これは交通枝の存在によるものだそうです。各注入部位における解剖上の注意点がありましたが、tear troghuは骨膜上は安全なレイヤーで法令線は皮下深層に顔面動脈がbranchを出すので2ミリ程度の皮下浅層が安全のようです。また、カニューラを使用しても誤注のケースは報告されているの、カニューラを使用するなら太いものが安全。

④ウルトラセルHIFUの照射部位 ハンズオン

口輪筋や眼輪筋部に近いところより、SMASが面としてしっかりしている外側で照射すベきとのお話でした。フェイスリフトでSMAS上でregamentの切離とSMASのplicationを行うのが長期的にリフト効果が維持しやすい。照射の角度はラインの方向に一番収縮効果があるので、引上げ方向に当てるべき即ち上外側方向と耳前頬では上方向で照射、こめかみの上外側、前頭部は上方向です。madiburar marginal brは注意して。照射は2.0J、また、皮膚皮下の厚みによって、厚めのだと、4.5㎜Cカートリッジを少し強く押し当てることでSMASに当たるし、薄い人は3.0㎜Bカートリッジを強く当てることでSMASに当てるのもテクニックとのことです。ジェルは不使用で、保冷材で冷却しながらの施術が痛みの軽減につながるようです。

目元のヒアルロン酸注入でよくあるトラブル ヒアルロニダーゼで溶かす

 

目元のヒアルロン酸注入について

目元の美容上の悩みでよく聞くこと

・クマが目立つ

・皮膚のたるみ

・笑い皺や縮緬皺

・クマの下の深い溝

・目袋の突出

・涙袋の縮小

 などなど、たくさん挙げられるのですが、ヒアルロン酸注入ではこれらの症状のいくつかは改善することが可能です。

・クマの下の溝に直接注入することは後で述べるリスクがあるのですが、この溝のすぐ下(眼窩下縁)に注入することで、目元のたるみ感を軽減したり、頬がリフトアップした感じを出すことができます。また目袋の突出も幾分ごまかすことが可能です。

・細かいシワには非架橋ヒアルロン酸やコラーゲンを注入することでハリを出したりシワを浅くしたりできます。

・ふっくらした涙袋は若々しくかわいらしい印象を出すことができます。こちらも少し粘度の高いヒアルロン酸で形成することがでるのは、昨今の芸能人などで有名な話ですね。

よくあるトラブル

目元に限らないものもあるのですが、以下のようなトラブルが考えられます。

・ヒアルロン酸の過注入

 とくに涙袋で注入量が多すぎ、すなわち過注入しますと、不自然に下垂してきて目袋が大きくなったように見えます。目袋が大きくなるということは、とても老けた印象を醸し出します。

・ヒアルロン酸の過少注入

 これは単純に注入量が少なくて効果が物足りないということです。これは再注入するだけのことですから大きな問題ではありません。

・ヒアルロン酸のアレルギー

 まれですが何千人に一人ぐらいは赤くはれたりするアレルギー反応が生じることがあります。

・ヒアルロン酸が透けて青く見える

 目元の皮膚は体のなかで皮膚が最も薄い部分です。ヒアルロン酸の注入層は、涙袋は眼輪筋内ですが、目袋の下の深いシワは骨膜上といって比較的深めに注入することが多いです。しかし皮膚のすぐ下という極めて浅い層に比較的固いヒアルロン酸を注入してしまうと、青く透けて見えることがあります。チンダル現象と言われています。

 

 経験上、上記の中でよくあるケースは、涙袋への注入量が多いか、シワへの注入層が浅いなどで、目袋が大きくなってしまったケースです。しかもいずれの場合でも皮膚の浅い層にヒアルロン酸が存在するため、チンダル現象で青く透けて見えます。これがさらにクマが濃くなってさらに疲れて老けた印象になってしまいます。

  トラブルへの対応としては注入されたヒアルロン酸を溶かす薬剤「ヒアルロニダーゼ」を同じ部位に注入することです。当院ではヒアラーゼ1500単位を1㏄の生理食塩水で溶解し、気になる目元へ0.1㏄程度注入しています。注入後よりすぐに融解が始まり、数日で落ち着きます。DSCF5843

 

岐阜市薮田南 形成外科・美容外科・美容皮膚科 ぎふスキンケアクリニック ヒアルロン酸注入・ヒアルロン酸を溶かす注射(ヒアルロニダーゼ)・目元のしわ などに関する投稿

切らずに糸でリフトアップ

 本稿はたるみを引き上げる治療についてです。ヒアルロン酸注入やボトックス注射、脂肪注入などをコンビネーションで行うことも効果的です。今回は主に、糸で引き上げるリフトアップ手術の中でも切らないものを2つご紹介します。

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リフトアップの切る手術

顔のたるみといっても、各部位によって、治療法が存在します。

・おでこや眉毛→前額リフト

・上まぶた→ブローリフト、上眼瞼リフト、上眼瞼除皺術、眼瞼下垂手術

・目元→下眼瞼形成術、下眼瞼脱脂術、こめかみリフト

・頬→ミッドフェイスリフト、フェイスリフト

・鼻下→上口唇短縮術

・フェイスラインや首→フェイスリフト、ネックリフト

上記は切る手術です。当院が力を入れている機器を使用したリフトアップはどの部位でも対応できます。

 手術はとても効果的ですが、術後の腫れや痛みなどのダウンタイムが問題となりますし、傷痕も残ります。機器を使用する方法ではそういった問題はありませんが、よく言うと自然なリフトアップ、悪く言うと効果が物足りないということになります。さて、この両者の中間的な治療法として、糸によるリフトアップが挙げられます。なかでも、コグと呼ばれるトゲのついた糸を皮膚の中に埋め込み、裏側からたるんだ皮膚を引き上げたり引き締めたりします。適応部位はまぶた、鼻下以外にあると考えておいてください。

 ミントリフト

 特にフェイスラインを引き上げるのに効果的なのがミントリフトです。針だけで糸を皮膚のなかに埋め込み、側頭部(髪の毛の中)の深側頭筋膜に引っかかるように糸を通し、皮膚と皮下組織を引き上げた状態で保ちます。局所麻酔で可能です。

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ミントリフトの特徴

 ・切らずに確実に効果的にフェイスラインをシャープにできます。

 ・糸は吸収糸ですから長期的に異物を体内に残しません。

 ・短期的に異物反応による皮膚・皮下の再構築(コラーゲン増生など)され、肌のハリをupさせます。また、今後進行するたるみを予防します。

ミントリフトの注意点

 ・頬には針穴ができます。数日でわからなくなります。

 ・術後1週間程度は皮膚に凹凸ができることがありますが、次第になじみます。

 ・引き上げた皮膚を支えている側頭部に術後1週間程度痛みがあります。

 ・効果は永久でなく、単独では1年から数年で物足りなくなります。

 ・持ち上がった皮膚は目尻の高さで溜まり頬の横が高く感じます。次第になじんでしまいますが、皮膚のたるみが多い方はしばらくの間バランスが悪く感じます。

 

コグリフト

 フェースラインのみでなく、頬(中顔面や法令線)を引き上げたいという希望も多いです。ミントリフトでは主にフェースラインの改善で、頬部は効果的ではありません。そこで、スプリングアプトスやシルエットリフトという、同様に引っ掛かりのついた糸で引き上げるリフト法がありますが、この施術は側頭部を1センチほど小切開しなければなりません。そこで、最近切らずに効果的なリフト力のある糸として、コグリフトが注目されております。コグリフトは引っかかりが双方向についており、どこか一か所で支えるというよりも、糸を挿入した範囲の皮膚と皮膚で引き合いながら持ち上げるイメージです。こめかみから挿入して、法令線近くまで挿入します。片側5本程度入れると効果的と思います。

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約10㎝のカニューラとなっています。内部にコグと呼ばれる引っ掛かりがついてた糸が仕込まれており、これを皮膚の中に差し込んで抜くと皮膚の下に糸だけが残存、留置されることになります。

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肉眼でも糸にコグがついているのがわかります。こんな小さい引っ掛かりでも組織を引っ張ることができます。

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ダーモスコープで拡大するとコグの形状がよくわかります。コグの向きは双方向となっており、組織と組織を引き寄せあってリフトアップさせます。

コグリフトの特徴

 ・切らずに、自然な頬のリフトアップが可能です。痛みもほとんどありません。

 ・糸は吸収糸ですから長期的に異物を体内に残しません。

 ・短期的に異物反応による皮膚・皮下の再構築(コラーゲン増生など)され、肌のハリをupさせます。また、今後進行するたるみを予防します。

コグリフトの注意点

 ・どこかにひっかけて引っ張り上げる施術ではないので、過度な効果は期待しません。自然な持ち上がりであるとご理解ください。

 上記の糸を両方同時に挿入することもよく行っています。それでも内出血が少なければダウンタイムは短く、直後に買い物などに行ってもわからないぐらいです。痛みが心配だが、少しでもたるみを軽減したい方はコグリフトをたくさん挿入するのが良いと思います。

岐阜市薮田南 形成外科・美容外科ぎふスキンケアクリニック 切らないリフトアップ たるみ治療

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ヒアルロン酸注射(しわ)

Q どこのしわに治療可能ですか?

A 目の下のくぼみやクマ、ほうれい線、マリオネット線、ゴルゴ線などです。

 Q どれくらい効果が続きますか?

A 半年から1年かけて自然に体内に吸収されます。

 Q ダウンタイムはありますか?

A 内出血を起こす可能性があります。内出血は1週間~2週間前後で無くなります。コンシーラーやファンデーションでカバーできます。腫れと痛みは数日で治まります。

 Q 施術時間はどのくらいですか?

A注射する時間は5~10分程度です。

 Q痛みはありますか?

A痛みは通常の注射程度の感覚と、注入中に多少の違和感がある程度です。痛みの軽減のために冷却してから施術いたします。痛みが心配な方には表面麻酔もご用意しております。

 Q 治療後に注意することはありますか?

A 当日は、長時間の入浴、運動、アルコールは控えていただきます。

 Q当日はお化粧ができますか?

A 注射後は3~4時間後はお化粧を控えていただきます。パウダリーファンデーションでお化粧をしていただくようにお願いします。

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