バッカルファットはどんな手術か?

❙バッカルファットとは
 
 日本語では頬骨前脂肪とか、言われているようで、その名の通り、頬骨の前面にある、ある程度まとまった脂肪の集まりです。皮膚の下にある、皮下脂肪ではありません。バッカルとは頬を意味して、ファットとは脂肪を意味します。
 ほっぺにあめ玉を含んだように、頬が丸くふっくらとしている人はこのバッカルファットが多くあるのかもしれません。また、加齢に伴い、口角の下にブルドッグのふくらみ(ジョールと呼ばれます)がある方は、このバッカルファットが下垂したものと言われています。

 形成外科医、美容外科医であれば、頬骨の骨折手術や骨きり(頬削り)をするのですが、この時、愛護的に手術しないとバッカルファットが飛びだしてくることはたまに経験します。

❙バッカルファットの切除手術の適応
 
 小顔にする施術は、顔を大きく見せている原因によって、いろいろな方法が適応されます。
 小顔にしたい!といってすぐにバッカルファットを取りましょう!ということはないと思います。顔がしもぶくれで特に笑った時にしもぶくれが目立ってしまう方が最も良い適応であると、私の指導医から教わりました。将来、ブルドッグになることが予防できるとか、術直後から顔が小さくなるとか、様々な適応が言われておりますが、私はある程度、適応は限定されるのではないかと考えています。

❙手術方法のポイントをまとめます
 
 手術は局所麻酔でも可能ですが、全身麻酔の方が楽と思います。
 口腔内からアプローチします。
 耳下腺管の開口部をメルクマールにして、そこからほぼ同レベルの高さで後方に10㎜程、粘膜を切開します。頬筋を鈍的に剥離するとバッカルファットに到達しますが、盲目的に上方へ剥離を進めると、顔面神経頬筋枝、深顔面静脈、耳下腺管など、重要な組織を損傷する恐れがあります。
直視下にバッカルファットを圧迫しながらそのカプセルを剥離できると、鶏卵黄大の脂肪が嫌でもはみ出してきます。鶏卵黄大より小さい人は手術してもあまり効果がなかった人だろうと、指導医から教わりました。

エラボトックスの効果でうれしいか?

エラの治療法

 耳の下、エラと呼ばれる部分が張り出している方は、顔の輪郭が、四角やホームベース型に強調されます。
 この、エラの原因は2つあり、一つは下あごの骨(下顎骨)の角が張り出している、骨が原因のものです。この治療には、骨を削るしかありません。エラ削りと呼ばれる手術をいたします。後日詳述します。

 もう一つの原因は筋肉が発達して、筋肉が張り出して見えるというものです。この筋肉は咬筋という、咬むために収縮する機能を持つ筋肉です。

 ぐっと噛みしめてみてください。耳の下を触ると、固いしこりになって触れる咬筋の収縮がわかります。

 骨が張り出しておらず、この咬筋が張り出しているだけのタイプでしたら、このエラ張りは、咬筋ボトックスを施術します。エラボトってやつです。

 ちなみに、もし、骨も削らなくてはいけないけど、筋肉も発達しすぎている場合は、エラ削りの手術の時に、咬筋も一緒に一部切除して、ボリュームを減らさせていただきます。

 ボトックスは、注射薬で、筋肉の働きを4か月程度麻痺させる作用があります。

 注射後、2~3週でエラ張りが少しずつ小さくなっていくのがわかり、2~3か月で効果が完成します。その後、ボトックスの効果が切れますが、元の張り具合に戻るには半年~1年はかかると思います。

 ところで、咬む筋肉を麻痺させても大丈夫?と思う方も多いと思います。答えは大丈夫。
 咬む筋肉は、咬筋のほかに、側頭筋、内側・外側翼突筋があり、これらが代償します。少しだるさを感じる方もみえますが、すぐに代償されます。


エラボトックスの効果の感じ方

 エラボトックスの効果はとっても良く効くと思います。小顔効果もはっきりします。また四角い印象の顔が、楕円から逆三角に近くなり、愛嬌のあるお顔が美人系のお顔立ちになると思います。

 これが、若くて肌にもハリのある方には、とっても喜ばれます。

 しかし、中年以降の方になってくると、そうでもなくなってきます。

 良く効きすぎたのか、みんなから痩せたね~、とか、こけたね~と言われるようになった、という方の割合が若干増えてくるように思います。

 確かに、たるみが気になるお年頃になってきますと、特に細い方は、バッカルファットと呼ばれるほっぺのふくらみを保っていた脂肪のかたまりが、下垂していきます。すると、頬骨の境がわかるようになり、ほっぺたがこけた感じになります。

 さらにエラボトックスを効かせると、頬から耳の前まで、すっきりしすぎてしまいます。咬筋は頬骨に付着しているのですから、痩せればさらに頬骨との境もはっきりしてしまいます。


エラボトックスもオーダーメードで。

 こういった経験をされると、施術に少し抵抗があるかもしれませんが、初回と違って、部位と量を考えて2回目の注射をします。
 注射部位には注意して、なるべく下の方を中心にと思っています。また、ボトックスの広がりを考えた濃度に調整します。しかし、噛みしめて一番固く盛り上がるところに、結構しっかり量を注入しなければならないので、やはり全体に痩せてしまうのは多少仕方がないのかとも思います。

 少し御顔がお痩せの方、でも、エラは髪の毛で隠して輪郭をカムフラージュしている方、こういったこけた印象や痩せすぎた印象が強く出ないように工夫してみますので、いつでもご相談ください。

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