医療脱毛のreview

5/14東京国際フォーラムでキャンデラユーザーズミーティングが開催されました。当院ではキャンデラ社製ジェントルシリーズというレーザーで医療脱毛やレーザーフェイシャルを行っています。この会で医療脱毛について、復習したことを備忘録として、私見も含めて述べます。

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エステサロンの脱毛との根本的な違い

 レーザー機器を使った脱毛は医療機関でしか許可されていません。サロンでの脱毛は「美容ライト脱毛」と称する光脱毛ということになります。医療機関でないので、毛を発生させる毛乳頭・皮脂腺開口部・バルジ(幹細胞)を破壊する行為はできません。とういことは低出力の光を用いて減毛させることになります。クリニックでのレーザー脱毛も、正確には永久脱毛と言えないのかもしれませんが、永久脱毛の定義もはっきりしないので、長期的な減毛というのが正確です。メラニンの少ない産毛や白髪は難しいということですが、クリニックですので、上記の毛を発生させる器官を破壊する行為が可能なのは確かです。

禁忌や合併症について

 リウマチなどで金製剤を投与されている方、金の糸が体内に留置されている方です。ニキビや湿疹については、やはり良くなることが多いので演者の先生と同様、当院でも積極的にお勧めしています。

 毛嚢炎や紅斑は割と起こります。マイルドステロイド(ロコイド)+抗菌薬(アクアチム)などの外用で対処します。熱傷、色素沈着は時々経験します。テクニカルな問題では三日月型の色素沈着の場合、冷却不十分(これは照射角度や機械の不具合)が考えられます。過冷却による色素沈着も肌質により経験することですが、長引く傾向にあります。硬毛化については以下に述べます。

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硬毛化について

硬毛化しやすい人

 20~30歳代

 色白

 産毛が多く、毛の量も多い

 毛穴が開き気味

 好発部位(うなじ、肘上、背中、腰など)は数パーセントで起こりえます。逆に下肢ではどの先生も硬毛化の経験がないというのが不思議であり、このメカニズムの解明が待たれるところです。

 硬毛化に対する照射プロトコールも出てまいりました。アレキサンドライトの連続照射法やYAGに切り替えることです。当院はロングパルスYAGレーザーも備えており、硬毛化の際には使用することがあります。

ニキビ治療について

 ・基本に忠実。皮膚科学会は新薬が出ると治療ガイドラインをこまめに改定していますので、当院もこれにのっとって結果出しています。

 ・治療のゴールはニキビ跡の予防 ということはいかに新しいにきびを作らず、できたときに軽く済ませるかです。・赤ニキビを早く治す。・そしてmini-scar(0.5㎜~2㎜の小さいニキビ跡)を無くす。炎症性ざ瘡の8.2%がなってしまうとのことです。

 ・きれいにニキビ跡を治すためにも、自由診療は必要です。ピーリングやレーザー(ダイオードなど)です。

 ・抗生剤単独使用は避ける。 BPO併用など、必要です。

メラノーシスを起こす、パラクラインサイトカイン系

 UVBにより、ケラチノサイトや線維芽細胞からET-1、エンドセリン、SCFなどのサイトカインがメラノサイトを活性化するメカニズムの話がありました。また、最近老人性色素斑においては表皮の処理では再発する例に対し、これは真皮の線維芽細胞からのサイトカインシグナルが原因との話はよく出てきます。

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にきび治療薬エピデュオゲル発売記念講演

 株式会社マルホから、11月に発売されたにきび治療薬エピデュオゲルの発売記念講演が東京赤坂ANAインターコンチネンタルホテル東京で行われました。当院のニキビ治療は過酸化ベンゾイルBPO(ベピオ:ピーリング作用と殺菌作用)を中心として、適正な抗菌薬とアダパレンADP(ディフェリンゲル:角化の抑制作用)を併用して治療を行っています。面皰の時期、炎症性皮疹、維持療法、各症状にあわせる、「適剤適症」を心掛けなければなりません。エピデュオゲルはADPとBPOの合剤です。すべてのニキビのステージで使用可能です。今日の講演で自分なりのトピックスと私の私見をまとめてみました。

副作用発現率について

 副作用としてirritation刺激感や紅斑、落屑、乾燥感があります。出現率はディフェリンゲルとエピデュオゲルは同じぐらいとのことです。効果は1+1≧2と思うのですが、副作用出現率が同じぐらいとはとてもありがたい話です。しかし、混合にすることで、レチノイド反応様の副作用以外に、かぶれのような炎症も起こりやすくなったのではという皮膚科医もいるようです。当院ではそこまで使用患者さんはおられません。

患者指導と副作用発現率

 副作用の予防に、患者チュートリアル(個別のカウンセリング)を重要視します。塗り方や副作用への対処方法などを、しっかり説明するのです。演者の診療所では待合でipadを使って動画で塗り方などを説明しているとのことで、とても良いアイデアと思いました。このチュートリアルが行われた場合、副作用の発現率は34%、行われないとなんと80%だということです。

副作用の予防と対処

 副作用は使用開始から3日から3週間程度起こりえます。徐々に塗る面積を広げていくことで発現率を抑えます。起こってしまったら、1日おきに塗る、あまりにひどいと2~4週間の休薬もあり得ます。また他のピーリング剤(クリニックやホームケアでの)を併用してはいけません。適応年齢は9歳以上です。

効果について国内外のデータ解釈

 にきび皮疹の減少率について、国内臨床試験データは、エピデュオとベピオに有意差はありませんでした。海外データは有意にエピデュオがベピオより効果があります。

 なぜこのような違いが生じているのか、演者の林先生のご見解は、日本においてはもともとベピオ使用者が少ない、その中で臨床試験を行うと有意差が出にくいことが考えられる。また、海外はOTC薬でBPOを市販で入手可能です(にきび用コスメにも入っていますから)。それでも良くならないという人が病院を受診して試験に参加するので、海外では有意差が出やすい。とのことです。

保湿剤のタイミング

 皮膚科の先生は保湿にヒルドイドローションを使用していることが多いようですね。ヒルドイドのクリーム基剤はにきびには適さないという見解があります。保湿をしたらにきびが良くなると思い込んでいる医師も多いし、私もそう思っていたのですが・・・。とにかくノンコメドジェニックと表示のある化粧品を使用すべきです。保湿のタイミングは、副作用の出方によって、保湿後に薬剤、または保湿後に薬剤を塗布しさらにもう一度保湿剤を重ねるのも、なるほど良い方法だと思いました。

img_2171前夜からちゃんと案内表示が出ていました。

img_2174このぐらいの花をクリニックにも飾りたい、いつもそんなことばかり考えています・・・。

img_2170クリスマスツリー。さすがにこれはクリニックでは邪魔かも。

img_2176ロビーも盛況。全国からにきび治療を精力的に取り組んでいるドクターが200名ぐらいかな、大きな講演会で、盛り上がっていました。私も参加できてとても良かったです。

 

 

岐阜市薮田南 形成外科・美容外科ぎふスキンケアクリニック にきび ニキビ ざ瘡 ベピオ ディフェリン デュアック エピデュオ など ニキビ治療薬に関する投稿

 

にきびQ&A

Q にきびは保険で診てもらえますか?

A にきびは尋常性ざ瘡という病気ですので保険診療で診察させていただきます。

症状が軽いうちに治療を行い、にきびができにくい肌へ改善するためのホームケアをご提案します。

 Q 一般皮膚科の治療と何が違いますか?

A 当院では通常の投薬では良くならなかった方でも、ご希望がございましたら個人に合わせたホームケアと、メディカルエステ、光治療、ピーリング治療、肌点滴など、自由診療部門も充実してご提案させていただきます。

 Q にきびのためのホームケアとは何ですか?

A にきびができやすい肌の要因の一つに、無駄な角質が厚いということがあります。また、意外にも保湿が不十分であることや洗顔のし過ぎも炎症を助長させます。毎日のホームケアでこれらの要因を取り除くことが可能です。

ダーマローラーの力加減

美肌治療の方法はたくさんあります。最近は機器を使用したものがとても多いです。また、目的が美肌以外にも、美白や、リフトアップ効果を兼ねているなど、いろいろな謳い文句で手術治療を選択できます。

 美肌というと何を表すのか、いろいろな考え方があると思いますが、私は患者さんと話していて、便宜的に、小じわ・毛穴・ニキビ痕に対する治療を美肌治療とまとめて呼ぶことが多いのですが、ここに、しみ・くすみなどの美白治療を含める人もいるようですし、スキンケアによるnon-medicalなこと、例えば保水肌とか、油分のコントロールされた肌とか、広義に解釈することもできると思います。

ダーマローラーとは

 今回はそんな中でも、ダーマローラーという美肌治療についてです。

 これはよく、健康器具や美容具で市販れている、ローラーで顔をコロコロするやつ!というと、容易に想像がつくと思いますが、このローラーに細かい剣山のような針のついたものを、ダーマローラーと呼びます。一時流行ったころがありましたが、今はどうか、わかりません。ただ、患者さんにはこの施術のファンがおられます。

 ローラーには細かく100本程度の剣山になっており、これを表面麻酔した後の顔に直接当ててコロコロ転がします。
 針の長さは0.5㎜~2.0㎜程度まであるので、その人の肌状態や希望で選択します。
 コロコロすると、うっすら血が滲みます。
 そこに、何か肌に良い成分のパックを施し、仕上げをします。

針穴で再生を促す

 この施術が美肌に良い理論ですが、無数の微細な穴を皮膚に開けることにより、その修復機転で多量のコラーゲンが産生されます。コラーゲンの増加は、皮膚のハリ、きめ、潤いを改善し、ターンオーバーを促進します。

 この理論を利用した施術はいろいろあります。ダーマペンと言ってローラーと違ってスタンプタイプ、つまり、垂直運動で穴をあけていくというものもあります。

 機器を利用したもので代表的なものは、フラクセルで有名になったフラクショナル炭酸ガスレーザー照射です。

 こういった、皮膚に微細な穴をあけ、有効成分を浸透させると同時に自己の修復機転で美肌にしていく治療は日頃の定期的なメディカルスキンケアとしてはスタンダードです。しかし、日頃施術していて、疑問点も感じます。以下のようなことです。

針穴の効果・・・最大限引き出せるか?

 開ける孔の深さは調整できるとのことで、マイルドな施行ですと、深さ0.25~0.5mm程度で、出血もないぐらいにします。また、ニキビ痕がひどくて、効果を求めている人などは1.5㎜程度で施行します。しかし、肌には弾力があります。この数字はあくまで設定であり、ほんとにどの深さまで穴があけられているのでしょうか。はだの弾力で押し返され、もっと浅くしか入っていないのでは。また、ほっぺたなどは下に硬い骨がないので、暖簾に腕押し状態の気がします。
ですので、理論値より、若干オーバー目の設定でやった方が良いのではないかと思っていますし、ほっぺたは少しふくらませてもらって強めに押し込んだ方が良いのではないかと思います。

 もう一つの疑問点はその後導入する薬剤の効果です。微細な穴に、直接、ビタミン類や、成長因子、トラネキサム酸などを塗布するのですが、果たしてその穴から浸透していくのか。キズができると、どんなキズでも、浸出液と呼ばれるジクジクした体液がしみだしてきます。いくら微細な穴でも、血が出ているようでは浸出液もでます。有効成分は浸出液に押し出されてしまうのではないでしょうか。やはり、水光注射のように、注射したほうが確実か?

 明確な答えはわかりませんが、スタンダードに施術しながら、よりよい方法を考えていこうと思います。

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