医療脱毛の今後(こども・アトピー性皮膚炎)

 

第33回日本医学脱毛学会に参加しました。初めて参加しましたが、看護師の参加者がとても多く、盛況でおどろきました。今回の内容を復習して備忘録にしておこうと思います。ちなみに上の動画はダイオードレーザーによる蓄熱式脱毛の施術中です。当院では導入していません。

子ども脱毛について

 最近こどもの脱毛需要が増加しています。理由の多くは多毛により友達からからかわれたりいじめの原因になるからというものです。中高生になれば、美容的観点が理由となるのですが、今回のテーマは小学生です。脱毛行為に対する恐怖心をいかに取ってあげて、痛くない脱毛を蓄熱式で行うということで共通していました。親御さんを交えていかに説明するかとういことも各院工夫しています。また、痛みのハードル以外にも、日焼け対策、短い施術時間、経済性についても考慮が必要です。

アトピー性皮膚炎に対する脱毛レーザーの効能について

脱毛レーザーであるロングパルスアレキサンドライトレーザーは、アトピー性皮膚炎の痒みを改善させ、その結果、搔把行動が減り病変も改善していくということです。

 アトピーの痒みのメカニズムがわかってきました。C線維という感覚神経が通常は表皮内まで侵入していないのですが、アトピーの皮膚では本来表皮にほとんど無いはずの神経成長因子(NGF)が発現して、C線維の表皮への侵入を促進してしまっています。また、本来表皮に多いはずの神経反発因子(sema3A)が減少し、C線維の表皮への侵入を抑制できなくなっています。そのため過敏になり掻痒から搔把行動になり、炎症と色素沈着が遷延します。

 アトピーに保湿剤をよく使用しますが、保湿剤は表皮内のNGFを減らし、C線維を減少させ掻痒を減らします。また、光線療法はsema3Aを表皮内に増やし、C線維を減少させます。

 ロングパルスアレキサンドライトレーザーも照射後に、表皮内まで侵入していたC線維が減少し、真皮まで退縮していることが示されています。また、表皮内のsema3Aも増加していることがわかっています。

 当院でもアトピーの方こそ脱毛レーザーを行っていただきたいと考えています。

 

岐阜市 大垣市 各務原市 羽島市 瑞穂市の形成外科・美容外科・美容皮膚科 医療脱毛 こども脱毛 アトピー性皮膚炎 レーザー治療についての投稿

 

 

あざ・母斑の治療Q&A

Q:何歳からレーザー治療が可能でしょうか

A:0歳からでも可能です。しかし、レーザー治療の適応があるかどうか、また今すぐ治療すべきかどうかなど、診察してしっかりとご説明させていただきます。

 

Q:大きなあざでも治療できますか

A:可能です。しかし、小児の場合は苦痛と体動を伴ってしまいますので、適切な施設をご案内する場合があります。

 

Q:どのぐらいの頻度で通院が必要ですか

A:外傷性刺青の場合は一度きりで治療が終了することもありますが、あざの治療は年月がかかります。繰り返しの治療に慣れられましたら1~3か月ごとの通院を要します。

 

Q:治療の痛みや麻酔について教えてください

A:保険適応の表面麻酔薬であるエムラクリームを塗布します。これによりある程度痛みが軽減します。これでも苦痛があれば、麻酔注射を行います。面積がごく小さい場合は麻酔なしで施術することも可能です。エムラクリームの塗布では、効果がでるまでに40分程度要します。

Qスイッチレーザーが導入されました。(ようやく・・・)

 

このレーザーで治療可能な保険適応疾患(あざ・母斑・外傷性刺青)についてご紹介します。

 あざは生後~小児期に出現する皮膚の病変です。わかりやす分けると赤あざ・青あざ・茶あざ・黒あざというように4つの見た目の色で分けることが多いです。

 当院では、治療設備の関係で、赤あざの治療に対応できませんが、それ以外に関しては標準的治療が可能です。また、赤あざに関しても、診断と治療方法の説明、適切な治療施設について、詳しくご説明することが可能ですので、お問い合わせください。

 けが・やけどの後に生じる色素沈着についても治療可能です。

 アスファルトや鉛筆の芯が皮膚の中に残っているような外傷性刺青の状態も治療可能です。

 

あざの種類と治療法

青あざ

蒙古斑・異所性蒙古斑

 蒙古斑は生まれつきお尻にある青いあざを指します。皮膚の真皮にメラノサイト(メラニン色素を作る細胞)が増殖した状態のものです。このお尻の蒙古斑は4~10歳で自然に消失していくことがわかっており、治療の対象になりません。しかし、蒙古斑がお尻以外に発生することがあり、これを異所性蒙古斑と呼んでいます。足でも体でもどこでもあり得ます。異所性蒙古斑の中でも以下のようのものは自然消退を望めませんので、治療の対象となります。

  ・色調が濃い

  ・広範囲

  ・境界がはっきりしている

 標準的治療方法はQスイッチレーザーと呼ばれる、レーザー治療となります。お子様の場合、小学生になるぐらいになっても消退する傾向がなければ治療を開始します。幼児期より、明らかに自然消退が望めない色調のものですと、すぐに治療を開始することもあります。

Qスイッチレーザー治療は3~6か月おきに、5~10回程度の治療回数が必要です。

 

太田母斑

 片側の顔面にできる青あざです。生後しばらくして少しずつ発症し、思春期ごろに悪化し、社会生活上大きな問題となることがあります。真皮にメラノサイトが散在し、灰色から青色の色素斑ですが、白目の粘膜や、口腔内にもメラニンの増加を確認できることもあります。臨床的に、幼児の小鼻や眉毛の横あたりに青色のあざが小さく出てきて発見されることが多い印象です。

 自然に治癒することはありません。過去には手術によって除去し皮膚を移植したり、ドライアイスを押し付けたりと、つらい治療が行われておりましたが、90年ごろからレーザー治療が普及してきました。Qスイッチレーザーが現在の標準的治療方法です。3~6か月おきに、10回程度の治療回数が必要です。

 治療開始年齢は、早い方が効果も高く少ない回数で済み、色素脱失や色素沈着などの合併症の率も少なくて済むといわれています。

 

茶あざ

扁平母斑

 境界のはっきりした茶色のあざです。生まれつきあるものや、乳幼児期に出現するもの、思春期ごろに出現するベッカー母斑と呼ばれるものなどありますが、見た目に茶色いので診断は簡単です。

 治療はQスイッチレーザーが標準的治療なのですが、青あざに比べると有効率が劣ります。無効例は約65%です。著効は17%、改善程度は18%です。これは性別年齢には関連はありませんが、顔・首→体→四肢の順に有効率が下がります。またきれいな円形の扁平母斑より地図状の方が効きやすいといわれています。

 日本で保険治療が可能なのはQスイッチルビーレーザーという機種です。

レーザー治療が無効なケースでは手術を選択することになります。部位と大きさによって、切除後の皮膚再建方法が変わりますので、個々にカウンセリングが必要です。

 

黒あざ

色素性母斑

 いわゆるほくろです。大小さまざまです。

治療方法は手術による切除やくりぬきと、炭酸ガスレーザーによる除去がスタンダードです。自由診療で治療する場合は炭酸ガスレーザーとQスイッチレーザーを組み合わせたり、Qスイッチレーザー単独で治療することもありますが、真皮内に深く母斑細胞が存在するものが多く、やはり炭酸ガスレーザーによる治療が主となり得ます。また、この場合、治療の傷痕が残存してしまうことを理解して治療いただくことになります。

 

外傷性刺青

 鉛筆の芯が刺さって黒鉛が残存したり、アスファルトで転倒し、砂の色が残存したりすることがあり、これを外傷性刺青と呼びます。皮膚の中に存在しているものはQスイッチレーザーで治療可能です。

 Qスイッチレーザー治療について

Qスイッチレーザーと呼ばれるレーザー光を照射します。レーザーは皮膚に存在するメラニン色素に対して吸収されます。吸収されると光エネルギーが熱エネルギーとなり組織を壊します。壊されたメラニンは脱落したり吸収されてなくなっていきます。広範囲に施術する場合はあらかじめ表面麻酔クリームなどを使用して痛みを軽減させます。現在の色素性病変の治療で最も有効な治療法の一つです。

適応疾患

保険適応:異所性蒙古斑・太田母斑・扁平母斑・外傷性色素沈着(外傷性刺青)

保険適応外:シミ(老人性色素斑・後天性真皮メラノサイトーシス)・入れ墨・タトゥ

術前にご理解いただきたいこと 

術後経過として以下のことが起こりえます。特に炎症後色素沈着と、色素脱失については、ご理解が得られない状態での治療はお受けいたしかねます。

  • 患部の周囲に軽度の赤みやほてり感、ヒリヒリ感が生じることがあります。
  • 照射後に黒いかさぶたを形成し、1~2週間程度で自然脱落し、薄くなっていきます。かさぶたは絶対に取らないでください。指示された処置を10日程度は継続してください。
  • その後、約2週目から色素沈着(炎症後色素沈着)が出現します。この現象が落ち着くのに3か月程度かかりますが、程度には個人差があります。元のシミより濃くなったと感じることもあります。また、過去の照射で炎症後色素沈着が起こらなくても、数回目に初めて起こることもあります。適切に管理すれば、治まるはずの一時的な現象です。
  • しばしば過度の反応により水ぶくれになったり表皮が剥けたりすることがあります。その結果、炎症後色素沈着が強くなることがあります。この改善に数か月を要することがあります。また稀ですが、やけど痕として残存する可能性も否定はできません。
  • 炎症後色素沈着の予防や治療のためにハイドロキノン軟膏を使用したり、トラネキサム酸やビタミンC製剤などの内服を推奨することがあります。(別途治療費が必要です)
  • 色素性病変の種類や程度によっては、効果が出づらいものがあります。無効の場合や、10回以上の治療が必要のこともあります。病変の再発も十分に起こりうることです。治療に限界がある場合もあります。
  • 病変周囲の正常皮膚より色素が抜けてしまう脱色素状態になることがあります。これは治りにくい現象です。

 

レックリングハウゼン氏病の治療方針

神経線維腫症1型 neurofibromatosis type1 これをレクリングハウゼン病von Recklinghausen diseaseと呼んでいます。

症状が進行すると難病に指定されます。DNB分類stageⅢ以上

「粉瘤が全身にたくさんできてきたんです」

粉瘤にしてはやわらかく、poreもない。また、大小さまざまで、盛り上がりの大きいものから平坦に近いもの、垂れ下がるぐらい突出したものなどが、全身に多発した皮膚の腫瘍を認めます。これは、神経線維腫の可能性があります。さらに、次の症状があれば診断が確定的です。

「全身に茶色のあざがたくさんあるんです」

扁平母斑と呼ばれる茶色のあざが、大小さまざまに認めます。これは扁平母斑ではなく、カフェオレスポットと呼ばれます。6個以上で本症と診断できます。

3000人に1人の頻度で、常染色体優性遺伝、つまり、必ず遺伝して発現します。しかし半数以上は突然変異といわれます。

生命予後良好といって、命に別状はないことがおおいのですが、様々な問題があります。

・進行する疾患なので、皮膚の神経線維腫がどんどん増えていき、社会生活上、整容的な問題となります。1000個以上できると難病指定を受けることになります。

・脳や脊髄の神経に神経線維腫や、髄膜腫が発症し、中枢神経障害や痙攣などの発症することも考えられます。

・知能障害や学習障害を有していることがある。

・子供に遺伝する。

・神経線維腫の悪性化はままれであるが考えておかねばならない。

根治療法はありません。上記の問題が生じたときに対症療法を行うことになります。

私たち形成外科領域では、目立つ部位の神経線維腫を切除することと、カフェオレ斑をレーザー治療などすること(再発することが多いですが)などです。

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形成外科・美容外科 ぎふスキンケアクリニック あざ・できもの・粉瘤・皮膚の腫瘍などについて

第2回医療アートメイク学会勉強会に参加(備忘録)

当院では、医療アートメイクを行っています。眉・アイライン・リップはコスメティックに、また、乳輪乳頭再建、傷痕カムフラージュ、化学療法後の眉毛・ヘアラインの再建などにも応用しています。

アートメイクという技術は、医療行為と法的に認められており、現在、医療機関で医師の責任のもとでしか施術できません。

色素に求められること

・レーザーで消去できること。・MRI撮影時に問題とならないこと。・酸化鉄を用いないこと。・アレルギーを発症する可能性を少なくすること。・完全オーガニックであること。と、教わりましたが、今回の勉強会では終始これらのポイントについて、深く掘り下げる内容でした。ひとつづつ見てみます。

アートメイクやタトゥ、入れ墨のレーザー治療についての問題

これらをレーザーで完全に消すことができるのは全症例のわずか1.26%のみです。著効例は多くあります。

色や部位、色素の深さなどによって、レーザー治療を何回程度行うと良いか、事前に予測するツールがあるようです。黒は取ることができます。また赤も取れます。肌色は無効です。後に述べるように黒色化が懸念されます。深いものも当然取れにくいです。深いものを治療すると瘢痕が残ります。逆に深いものは入れる時点で瘢痕となっているため、レーザーが効きにくいです。これらの理由で除去すると瘢痕のみ残ります。これをゴーストイメージと言います。彫った絵柄や名前など、わかってしまいます。重ね塗りも取れにくいです。

レーザー治療により色素が粉砕されます。ピコ秒レーザーはより細かく粉砕可能です。細かく粉砕した方が、マクロファージやリンパ組織での輸送処理がしやすく、消えやすいです。レーザー後はしばらく時間を空けた方が輸送されて薄くなります。

レーザー治療の合併症

・痛み ・水疱形成 ・痂皮形成 ・点状出血(特にYAG) ・蕁麻疹様反応(色素の変化による) ・色素沈着 ・色素脱失と白毛 ・ゴーストイメージ ・アレルギー反応(局所、全身の光アレルギー反応) ・黒色化(後述しますが茶色肌色白色を発色する鉄とチタンにレーザー照射すると黒くなります。一見黒に見えても、重ね塗りで2重に交じっていたりすると起こりますので注意)

色素を入れるときの留意点

1最小限の量を 2重ねることなく 3黒色化しない色素で 4浅く入れる

MRI撮影時の発熱問題

MRIが影響するには、静磁場の影響、傾斜磁場の影響、RFパルスの影響の3つが考えられます。静磁場では吸引力によるトラブルが問題となりますが、アートメイクに関しては磁性体の量が微量すぎて問題になることはありません。問題と考えられるのはRFパルスです。誘導電流が発生するため、ループができると発熱します。これは磁性体とは関係ないので、アートメイクのみで起こるトラブルではありません。アートメイクに関して言うならば、ループになっているデザインのタトゥで1度以下の温度上昇があるようです。とういことで理論上も実験場もあまり問題とならないようですが、過去の文献にはやけどの報告はあります・・・

色素に関する問題

色素は色素原料と水とグリセリンとアルコールでできています。色素原料には水に溶ける染料と水に溶けない顔料がありますが、アートメイクには顔料を使用します。顔料にはオーガニックとインオーガニックがあります。

オーガニックの特徴

植物由来すなわち有機物でアゾ化合物です。これは発色が良く、すべての色を表現で、安価です。しかし、レーザー治療すると色が変化することや、アレルギーの原因となりやすいこと、また皮膚内で化学変化し、特定芳香族アミンとなって発癌作用、アレルギー作用があるといわています。そこでインオーガニックの色素を使わざるを得ない現状があります。

インオーガニックの特徴

無機物でカドミウム、水銀、鉛、コバルトなどもあるのですがこれらは発色は良いが健康被害が多いことで有名です。実際にはカーボンブラック(これも発がんの可能性あり)酸化鉄、二酸化チタンなどを使用します。

paradoxical darkening

黄色や赤を発色する水酸化鉄や酸化第二鉄、酸化チタンなどで肌色として入れた場合、これにレーザー治療を行うと黒色化するという問題です。問題となる事例は古いアートメイクを消すために肌色を重ねて消すケースがあるということです。その部位はレーザー治療を知らずに行ってしまうと黒色化してしまうということに注意しないといけません。レーザーによる消去は問診の上、試しのの小範囲から始めるべきです。

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