第23回日本抗加齢美容医療学会に参加して(備忘録)

「にほんにこだわる」をテーマに、新潟・銀座でクリニックをされている野本先生が会頭の元、銀座で開催されました。

 野本先生の開発されたビューティフルスキンミネラルファンデーションは、当院でも大変多くの患者様にご愛用していただいており、また、野本先生は独自にアイウェアの開発や美容和漢学の普及、色彩学を取り入れたスキンケアなど、大変個性・感性豊かに活動されている方で、注目のDrと思っています。

学んだことと私の私感を交えて書き留めます。

日本と海外のレーザー事情

 Qスイッチルビーレーザーは日本が独自に伸ばしてきた機械。アメリカにルビーレーザーは普及していません。海外はKTP・YAGレーザーを中心にして、最近はアレキサンドライトレーザーが中心になっています。また、CO2レーザーで十分だという考え方もあるとのことです。

 当院ですが、Qスイッチレーザーは当院には未導入だったのですが、年末に導入予定です。切れ味の良い日本製のルビーか、世界的メーカーのアレキサンドライトか、当院の患者様に合った機器を選択中です。

 韓国・台湾ではIPLよりもレーザートーニング真っ盛りというお話も伺いました。当院ではレーザートーニングを行っていませんが、こちらも導入を検討中です。

 美容医療の市場ですが、世界的に1位アメリカ2位ブラジル3位日本4位韓国。特筆すべきことはその中でも手術:非手術(機器治療や注入治療)を見たときに、日本は1:1で世界一非手術に傾いています。2位アメリカ3位韓国4位台湾5位ブラジル。

網膜の老化とアンチエイジング

 50歳以上の1%が罹患しているといわれる加齢性黄斑変性症は、萎縮型と浸出型、さらには前駆型があります。浸出型にはレーザー治療など、新生血管を抑える治療が可能です。しかし萎縮型と前駆型は治療法はありません。生活習慣の改善が大切になります。喫煙、肥満、高血圧、動脈硬化、光曝露などを避けることで、酸化ストレス⇔慢性炎症の悪循環を防ぐという考え方です。さらに抗酸化サプリメントが大変重要で、眼科医もサプリメントを勧めることがあるそうです。ビタミンACE・亜鉛・銅で発症率を25%抑制、ルテインとゼアキサンチンというカロテノイドで18%進行を抑制するとのことです。ルテインは黄斑に存在しています。

肝斑に対する考え方

 最近は肝斑は表皮に病変の首座があるというより、真皮機能の状態を改善しようという意見があります。真皮線維芽細胞からSCFやVEGFなど、様々なサイトカインが発せられ、表皮メラノサイトを活性化する機能異常に対して、真皮にロングパルスヤグレーザーで治療することが有効と言われるようになりました。VEGFが関与していることから血管病変と考えると血管病変もターゲットにできるロングパルスヤグレーザーの重要性がわかります。当院ではリフトアップレーザーというロングパルスヤグレーザー治療があります。タイトニング+肝斑治療で取り組んでいただけると良いと思っています。と言っても本当の肝斑はシミで来られる患者様の5%、60%は老人性色素斑です。

 肝斑は瘀血(おけつ)桂枝茯苓丸+トランサミンで。

日本漢方 心身一如と同病異治・異病同時

 老化は陽から陰(機能の衰え)、実から虚(調節の衰え)

五臓(心・肝・脾・肺・腎)脾は消化器系を表しています。腎は先天的な気、水分内分泌を表します。また、肝は自律神経を表します。五臓は互いに関与します。ストレスは肝を不調に肝の不調は脾虚となり腎虚となります(老化)(ストレスと過食と寿命減)

私には和漢学はちょっと難しいですが、美容医療には未病に対するアプローチの一つとして、大変重要であることは間違いありません。

漢方に関しては私の同期・こやまかわせみクリニック小山賀継先生にお願いします。

脂肪細胞とメタボの話

先日、当院のたるみ治療器HIFUのメーカー、Jeisysのユーザーズミーティングに参加してまいりました。IMG_2876 IMG_2877 IMG_2880美容医療の中で、「脂肪」というキーワードは大変大きなウエイトを占めています。脂肪吸引、脂肪溶解、脂肪移植、脂肪幹細胞、脂肪注入などです。また、HIFUは脂肪に急性ダメージを与えて脂肪細胞のnecrosis(壊死)を起こし減量、引き締めをし、また、慢性ダメージとして脂肪細胞のapotosis(自己死)を誘発し減量させていきます。今回は脂肪細胞の機能とメタボとの関係について杉浦先生の講演があったので、備忘録としてご紹介します。

脂肪細胞の大きさと配置

現代人の脂肪細胞の大きさは70㎛~90㎛と言われます。原始人から明治の日本人ではもっと脂肪細胞は小さく、30㎛~40㎛です。健康な肥満では脂肪細胞が大きく膨らみ、140㎛の限界まで膨らみます。脂肪細胞はその周囲に細い血管が走行しており栄養されています。ぐるっと一周ではなく、半周のみ血管が取り巻いているような配置です。

アディポネクチン

1996年に日本で発見報告された脂肪細胞から分泌されるホルモンです。

アディポネクチンの主たる作用として、抗動脈硬化作用、インスリン分泌促進作用があります。すなわち、高血圧、糖尿病の発症予防に必須のホルモンと言えます。自己の脂肪細胞から分泌され、生活習慣病を防いでいるのです。

そこで、痩せていれば、生活習慣病にならないのではという考えはなくなります。なぜなら、痩せすぎは脂肪細胞自体が少なくなり、するとアディポネクチンの分泌量は減少してしまうからです。

では、太った方がアディポネクチンは多く分泌されるのでしょうか?noです。

肥満の脂肪細胞はアディポネクチンが減る。膨れた脂肪細胞は自ら血流を阻害し低酸素状態となるから

 

140㎛まで膨れた脂肪細胞はβ14面体という形になり、ぎゅうぎゅうに整列します。FullSizeRender (7)自然界の最密充填形であり、最も安定した構造であるβ14面体の配列した例として、佐賀城の石垣やビールの泡、カニの泡、ザクロの実などがあります。ウィア=フェラン構造とも呼ばれます。このように最密充填形に配列すると、脂肪細胞の間を走行する小血管(生体での30%の量)が圧迫されます。脂肪細胞、特に内臓脂肪(体脂肪より1.4倍のアディポネクチンを産生する)が虚血に陥り、虚血に陥った脂肪細胞はアディポネクチン産生を低下させ、血管が圧迫されると高血圧を起こし、メタボリックシンドロームになると考えられるのです。

リバウンド

このように虚血状態の脂肪細胞が、ダイエットで縮小させ戻していくとします。すると再びさらに活発に大きくなろうと、また脂肪細胞の数を増やそうとしていく傾向がり、リバウンドのメカニズムといえます。

この学会の日は東京マラソン。IMG_2875

 

第22回日本抗加齢美容医学会に参加(備忘録②)

大阪の大腸肛門専門クリニックの佐々木先生の講演を拝聴いたしました。とてもお話がわかりやすく、自分の知識の幅が広がりました。おしりと美容の話です。

便秘の種類

 毎日便通があると、健康的に思えるかもしれませんが、痔患者の8割は毎日便通がある人だそうです。これはどういうことかというと、便秘には、

1)便の製造と運搬を行う大腸の弛緩やけいれんによる便秘(おなかの便秘)と、

2)出口に便が来ているにもかかわらず排泄できない便秘(おしりの便秘、直腸性便秘)

があります。問題は後者の2)の便秘です。この場合、何日も排便がないというわけでなく、毎日排便しているが、直腸から出し切れていない、つまり前の日の便が残ってしまって、次の排便時にはこの古い便を出してから続いてその日に製造された新しい便を出すということです。

直腸性の便秘が引き起こす問題と原因

 本来直腸は常にからっぽで、便が製造されて直腸に来たとき、便意を催してすべてを出し切る、というのが正常です。しかし、ここに溜まってしまっているおしりの便秘とは、直腸に便が来ても便意が弱い、感じない、排便反射が弱い、排便しても排泄力が低下しているなどが理由で、その日の便が残ってしまう状態です。

 直腸に停滞する残便は、肛門の静脈のうっ血を助長し痔核(いぼ痔)の原因になります。また、排泄時にこの硬くなった残便により粘膜が傷ついて裂肛(切れ痔)になります。

 残便の便中成分である、インドールやスカトールは便臭の元ですが、これらが粘膜から吸収されて口臭の原因になります。そして、ニキビや肌荒れにもつながると言われています。

 さて、この残便が停滞する直腸性便秘(おしりの便秘)の原因は、「がまん」と言われます。がまんを習慣にすると、便意が弱くなり、排泄力が低下していきます。

 いつも残便から排出されるので、便の出始めが硬く、続いてその日に作られたばかりの柔らかい便が出るという排便になります。毎日排便があっても、残便が生じるようでは隠れ便秘であり、痔疾患の8割は毎日排便しているが、残便のある人ということになります。

直腸性便秘に対する下剤の使用の問題

 おなかの便秘でない場合は正常に便が作られているわけですから、残便による便秘の時に下剤を使用すると、下痢になります。

 残便で裂肛になり、その後下痢便が通過します。そしてその下痢便も残便になり、裂肛部にとどまります。傷を汚染して感染することもあります。それが続くと肛門狭窄にもなりかねません。直腸性の便秘にはレシカルボン座薬や浣腸が適しています。間違ってもアントラキノン系と呼ばれる下剤を乱用してはいけません。

アントラキノン系下剤

 センノサイドを代表とする大腸刺激性の下剤です。この下剤の問題点は長期にわたって使用すると腸管メラノーシス(リポフスチンにより、腸の壁が真っ黒に色素沈着します。)を生じます。3か月程度で発症します。また、依存性のある下剤であり、下剤がないと排便できない、肛門狭窄を起こせば下痢でないと排便できない状況になる可能性もあります。乱用や漫然投与は注意です。

 アントラキノン系はセンナ、アロエ、カスカラ、サグラダ、ダイオウなどです。センナには熱帯に自生するマメ科の植物でカッシア・アラタ(ゴールデンキャンドル、キャンドルブッシュ)などが含まれます。

 センナの果実・葉は医薬品として扱われるので、食品である健康茶などに含まれてはいけないようです。しかし、ダイエット効果をうたっている健康茶などに含まれていることがあり、注意が必要です。 センナ、アロエなどアントラキノン系が含まれており、ダイエット効果、お通じの改善満足度99%。これは下剤という、薬剤の効果なのです。腸管メラノーシスや依存性のリスクがあるのではと考えられます。

便秘薬

 おなかの便秘にはアントラキノン系ではなく、よく腸の検査で前処置に使用するラキソベロンやジェネリックのピコスルファートナトリウム錠が、依存性もなく妊婦にも使用できます。おしりの便秘ではレシカルボン座薬(直腸でガスを産生し、刺激します)、浣腸が安心して使用できます。

温水便座症候群

 このような言葉が正式に認められています。シャワートイレの害です。

・洗浄のしすぎで、肌荒れし、かゆみや不快感、びらんの原因になります。

・衛生上の問題です。相当汚染しています。ビデなど使用すると、膣炎や膀胱炎になることも。また、ヘルペスやコンジローマなどの性感染症をうつされることもあります。

正しい排便習慣

 ・がまんしない

 ・シャワートイレを使用しない

 ・洗いすぎない、乾かしすぎない

 ・トイレは5分以内

 ・2時間以上同じ姿勢を取らない

 ・飲酒は3日おきに

 

最後にフロアからVIO脱毛について問題は無いか質問がありましたが、においが気になるようになったという人がいるようです。

Life is motion

メディカルダイエットもうまく使ってよいのですが・・・

 当院にはメディカルダイエットを希望される方が多くご来院されます。メタボであったり、ダイエットしても脂肪が取れにくい部位(太もも、下腹、二の腕、アゴ周りなど)のお悩みをよく聞きます。これらに対し、ダイエット点滴、サプリメント、食欲抑制剤、脂肪溶解注射(メソセラピー)、BNLS(顔面のリポスカルプティング)を行っています。最近は冷却装置は超音波装置を使って脂肪層にダメージを与える痩身機器もブームです。当院では顔面のHIFU(ウルセラと同様のウルトラセル)を使用して小顔治療しています。

運動療法をベースにすべきで・・・

 ご存じのとおり、やはり健康的に痩せるには食事と運動を第一に整えるべきことであるのは言うまでもないことです。

 トレーニングによる効果

 トレーニングをすることで、呼吸・循環・神経・筋・代謝を活性化します。そして、肺からしっかり酸素を取り込み、心臓の機能が良くなって脳循環も良くなっていきます。筋肉が発達することでも、脳に良い化学物質が分泌されていきます。結果、運動は認知・注意機能の改善も可能なのです。当然、適切な体重維持、血圧維持の第一歩であることは言うまでもありません。

 加齢による運動能力の低下具合

 運動能力の指標は最大酸素摂取量という数値で表されます(詳細は割愛)。体力と称するとしますが、20歳時点を100%とすると、1年で1%づつ低下していくそうです。つまり。70歳になったら20歳の時の半分の体力にまで落ちてしまうということです。少しでもこの低下を緩やかにすべきで、メタボやロコモティブシンドロームを予防しなければなりません。

 最近思うのは、運動不足による男性ホルモンの低下(LOH症候群)が気になっています。運動不足が代謝の低下のみならず、DHEAを低下させて、さらに内臓脂肪の沈着や動脈硬化につながるということです。

 ちなみに、1日寝たきりでいると、1%体力が落ちるそうです。20日寝込むと、20%体力が落ちます。40歳の人が60歳ぐらいの体力になってしまうわけです。そう考えると、生きている限り、常に運動を続けないと、老後のQOLを維持できないと感じませんか。その通りです。Life is Motionです。

 生きているということは動いていること

 このLife is Motionは紀元前にアリストテレスが提唱しているそうです。一日中バタバタと仕事や家事に追われても、これらも一つの身体活動ですから、体にとっては必要なことなのです。このLife is Motionを思い出して、がんばるしかありません。

 運動する時間がない!という人へ

 運動する時間なんてない!と言って運動しないと、やがて病気になってもっと時間を失うことになる。

 

これは1873年リバプール大学のエドワード博士の言葉。

 来月からエンビロンパワープレートを始めようと思います。また結果をレポートします。

 

岐阜市・大垣市 形成外科・美容外科ぎふスキンケアクリニック メディカルダイエット ダイエット点滴 サノレックス BBX 脂肪溶解注射 BNLSなどに関する投稿

市民ランナーのみなさん。メディカルチェック受けてますか?

先日、第6回ぎふ清流ハーフマラソンの大会救護活動に参加してまいりました。FullSizeRender (1)

私の健康スポーツ医活動の一つにしています。詳細はこちらスタッフブログをご覧ください。

さて、マラソンをはじめ、スポーツでの突然の病気、ときどき心肺停止など、最近はサッカーなどでもニュースになっていました。

マラソンにおける、年齢と心肺停止発生地点の関係

 2003年に日本臨床スポーツ医学会からのデータです。

●10代~30代までは、フィニッシュ直後に発生する。

●40代~70代はレース後半からフィニッシュ直前に発生する。

このような偏りがあるそうです。私の勝手な推測ですが、中年以降ですと、冠動脈硬化や弁膜症などから、心筋虚血が進行したり、急性左心不全となり心室細動に至るものと思います。若年者ですと、自律神経要因による心筋irritabilityの増加などが、フィニッシュ後に心室細動を誘発するのかと思います。いづれも基礎疾患の内科的メディカルチェックで予防しなければなりません。

若年者の突然死 その基礎疾患

 2005年のデータですが、肥大型心筋症という病気が25%です。心臓振盪といって衝撃などで不整脈を起こすものが20%、そのほか冠動脈奇形やマルファン症候群、WPW症候群など続きます。熱中症は1.6%、脳出血は0.8%だそうです。

内科的メディカルチェックは。

 血液検査、尿検査、胸部エックス線、心電図が基本です。異常があれば追加検査ですが、特に心臓系統は不整脈はホルター心電図という24時間心電図、左室肥大が認められたら心臓超音波、またST-T変化という心電図異常なら、運動負荷心電図を行うことになります。どの検査も非侵襲的なもので安心してうけられます。また、人間ドックでは必ず施行される健診項目です。市民マラソンは必ずメディカルチェックを行って参加しましょう。

 

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