薄毛の集学的治療

 AGA(男性型脱毛症)の治療ですが、フィナステリド(プロペシア)の普及の効果もあり、未だ拡大している市場であります。

 しかし、何か一つの治療をすれば絶対に治るとか、そんな一筋縄でいかないのがこの分野です。

では、低侵襲な治療から、何があるか、ちょっと見てみますと、

1)育毛剤、発毛剤

 なんといってもミノキシジルが重要です。フィナステリドとの併用でかなり効果的です。
 個人的な印象ですが、ミノキシジル単独では、若干弱いと思います。ただ、内服のミノキシジルはかなりの効果を出すようですが、体毛の多毛化も伴います。

2)ヘッドマッサージやヘッドスパ、機器治療

 良くあるのが余分な皮脂を取り除くというやつです。また、血行の促進や、血行を促進する有効成分などを電気などをあてて浸透させるなど、サロンなどで一般的に行われます。一般的には育毛や養毛を目的にしています。

3)HARG療法やメソセラピーなどの注射

 ここからはクリニックでしかできない治療になりますが、まずは成長因子や育毛剤などの注射です。これは発毛にかかわる成長因子と呼ばれる成分を、皮膚の中に注射器もしくは、特殊な注射用の器具で注入します。発毛にかかわる成長因子はかなり解明がすすみました。さまざまな製剤が流通しています。

4)植毛、手術

 最近は主には自分の後頭部の毛を切除し、前頭部や頭頂部に一本ずつ、もしくは2∼3本の束で移植します。
 成人の頭髪は10~12万本が標準なのですが、この移植で使用するのは後頭部から取ってきた3000本程度が一回で移植する本数として一般的だと思います。脱毛の程度によりますが、上手に移植すると、かなり雰囲気はよくなり、喜ばれます。
 私が心掛けることは自然な生え際を作ることを教わって、実践しています。
男性でも、女性でも富士額の生え際は雰囲気や感じが良いので、できるだけそのようにデザインしています。また、生え際は後方へ行くに従い濃くなるはずなので、前はややまばらに分布させ、後方へ行くに従い、2~3本の塊を移植するようにしています。
 また、生着率アップには素早い手術が大変重要です。株分けスタッフとの連携がスムーズにできるよう、手術室全体を見渡しながら行っています。

 人工毛は異物反応や感染といったトラブルが多く、行いません。

 また、植毛が進化する以前は皮弁という手術が行われていました。側頭部の毛の生えている皮膚を気のない部位まで移動させる手術ですが、AGAの手術としてはまず植毛が通常の流れです。

 AGAでなく、外傷や病気による禿頭は、皮弁手術や、最近は組織拡張器(ティシューエキスパンダー)による手術が一般的に行われます。

 自毛植毛のトピックスとしては、私は経験ありませんが、植毛ロボットARTASの導入です。とうとう植毛も自動化される時代になりました。株分けから移植まで、デザイン通りにやってくれるロボットらしいです。

 しかし、植毛して良い感じになっても、必ずフィナステリドは内服していただいています。

 やはりAGAと診断されるのならば、どんな治療にせよ、フィナステリドの内服は基本にしておくことが大切です。

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