ダーマローラーの力加減

美肌治療の方法はたくさんあります。最近は機器を使用したものがとても多いです。また、目的が美肌以外にも、美白や、リフトアップ効果を兼ねているなど、いろいろな謳い文句で手術治療を選択できます。

 美肌というと何を表すのか、いろいろな考え方があると思いますが、私は患者さんと話していて、便宜的に、小じわ・毛穴・ニキビ痕に対する治療を美肌治療とまとめて呼ぶことが多いのですが、ここに、しみ・くすみなどの美白治療を含める人もいるようですし、スキンケアによるnon-medicalなこと、例えば保水肌とか、油分のコントロールされた肌とか、広義に解釈することもできると思います。

ダーマローラーとは

 今回はそんな中でも、ダーマローラーという美肌治療についてです。

 これはよく、健康器具や美容具で市販れている、ローラーで顔をコロコロするやつ!というと、容易に想像がつくと思いますが、このローラーに細かい剣山のような針のついたものを、ダーマローラーと呼びます。一時流行ったころがありましたが、今はどうか、わかりません。ただ、患者さんにはこの施術のファンがおられます。

 ローラーには細かく100本程度の剣山になっており、これを表面麻酔した後の顔に直接当ててコロコロ転がします。
 針の長さは0.5㎜~2.0㎜程度まであるので、その人の肌状態や希望で選択します。
 コロコロすると、うっすら血が滲みます。
 そこに、何か肌に良い成分のパックを施し、仕上げをします。

針穴で再生を促す

 この施術が美肌に良い理論ですが、無数の微細な穴を皮膚に開けることにより、その修復機転で多量のコラーゲンが産生されます。コラーゲンの増加は、皮膚のハリ、きめ、潤いを改善し、ターンオーバーを促進します。

 この理論を利用した施術はいろいろあります。ダーマペンと言ってローラーと違ってスタンプタイプ、つまり、垂直運動で穴をあけていくというものもあります。

 機器を利用したもので代表的なものは、フラクセルで有名になったフラクショナル炭酸ガスレーザー照射です。

 こういった、皮膚に微細な穴をあけ、有効成分を浸透させると同時に自己の修復機転で美肌にしていく治療は日頃の定期的なメディカルスキンケアとしてはスタンダードです。しかし、日頃施術していて、疑問点も感じます。以下のようなことです。

針穴の効果・・・最大限引き出せるか?

 開ける孔の深さは調整できるとのことで、マイルドな施行ですと、深さ0.25~0.5mm程度で、出血もないぐらいにします。また、ニキビ痕がひどくて、効果を求めている人などは1.5㎜程度で施行します。しかし、肌には弾力があります。この数字はあくまで設定であり、ほんとにどの深さまで穴があけられているのでしょうか。はだの弾力で押し返され、もっと浅くしか入っていないのでは。また、ほっぺたなどは下に硬い骨がないので、暖簾に腕押し状態の気がします。
ですので、理論値より、若干オーバー目の設定でやった方が良いのではないかと思っていますし、ほっぺたは少しふくらませてもらって強めに押し込んだ方が良いのではないかと思います。

 もう一つの疑問点はその後導入する薬剤の効果です。微細な穴に、直接、ビタミン類や、成長因子、トラネキサム酸などを塗布するのですが、果たしてその穴から浸透していくのか。キズができると、どんなキズでも、浸出液と呼ばれるジクジクした体液がしみだしてきます。いくら微細な穴でも、血が出ているようでは浸出液もでます。有効成分は浸出液に押し出されてしまうのではないでしょうか。やはり、水光注射のように、注射したほうが確実か?

 明確な答えはわかりませんが、スタンダードに施術しながら、よりよい方法を考えていこうと思います。

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