日本における紫外線対策の遅れ
紫外線は皮膚に悪影響。百害あってい一利のみ。
光老化と呼ばれますが、しみ・シワの原因として、紫外線は8割の悪役を担っています。年齢のせいにしてはいけません。そして、皮膚がんの重要な原因になっています。外仕事(農業や漁業など)をつづけてきた高齢者の方の日光露出部位(顔や手の甲)などは、よく皮膚がんが発生します。一卵性双生児が、紫外線対策をした方と、しない方で80歳まで観察すると別人のように肌質に違いがでるのです。
一利あるといわれるは、紫外線によって体内にビタミンDを合成することができるということです。その為過去には日光浴というものが推奨されましたが、必要なビタミンDは日陰に30分、つまり普通に生活しているだけで十分な紫外線量が得られます。
小麦色の焼けた肌は80年代の妄想・・・
健康的に日焼けするなんてことは、過去の妄想です。
・子供のうちから日焼けをしよう! と言っていると皮膚がんになります。
・夏日焼けをすると冬風邪をひかない! と言っていると免疫機構が1週間程度不安定になってヘルペスが出たり、疲れをためてしまいます。
・日光浴で丈夫な骨を作ろう!上記のごとく、その必要はありません。
欧米や豪州の紫外線対策キャンペーン Slip Slop Slap Seek Slide
- Slip on sun protective clothing that covers as much of your body as possible.
- Slop on SPF 30 or higher broad-spectrum, water-resistant sunscreen, at least 20 minutes before sun exposure. Reapply every two hours when outdoors or more often if perspiring or swimming.
- Slap on a broad-brimmed hat that shades your face, neck and ears.
- Seek shade.
- Slide on sunglasses.
衣服、サンスクリーン剤、つばの大きな帽子、サングラスを使って紫外線防御し、日陰にいなさいというキャンペーンです。slip slop slapと韻を踏んで国中に浸透させ、皮膚がんの発症を減らしているとのことです。
日焼け止めに関してはSPF15~30 PA1+を日常的に塗布することで、日光黒子や日光角化症(皮膚がんの手前)扁平上皮癌も、光老化も効率的に予防可能です。しかし、薄く塗るだけではだめです。重ね塗りするぐらいで表示された効能を発揮しますから、注意してください。塗り直しが重要なのも上記のとおりです。
教育現場での紫外線対策の遅れ
本来教育現場で行うべき紫外線対策を挙げてみますが、日本は先進諸国の中でもかなり遅れているようです。文科省は主導力が弱く、日本美容皮膚科学会などが主導で啓蒙活動を行っています。
1)時間の工夫
紫外線量は一日の中でも変化します10時から15時の比較的紫外線量が多い時間帯は、外での活動を控えるべきです。しかし学校でも幼稚園でも真昼間にプールやってます。
2)場所の工夫
昼にプールをせざるを得ないのであれば、天幕を張ってやりましょう。それもできないのであれば、せめてプールサイドに日陰は作っておくべきです。そして夏は室内中心のスポーツにした方が良いのかもしれません。
3)衣服
ラッシュガードが許可されている学校は少ないと思いますが、推奨すべき紫外線対策です。
4)サンスクリーン剤の塗布
ウォータープルーフの日焼け止めは塗ってプールに入るべきです。水が汚染して濁るなんてことはありません。これもまた、子供に日焼け止めを持参させて良い学校なんて聞かないですよね・・・。
3)4)に関しては、給食代も払わない家庭がある中、日焼け止めも買わない(買えない)という家庭もいらっしゃると思いますので、学校側で準備するなど、課題が多いと思います。